自作コンセプト
5年ぶりに家のパソコンを自作することにしました。5年間でCPUはもちろん、パソコン部品もかなり進化しましたね。ざっとですが以下のようなコンセプトで自作しました。
- 今流行の白い筐体でガラス張りのパソコン
- ガラス張りで映えるLEDを多用
- CPUはインテル第12世代のハイスペックのものを使用
- グラフィックボードは縦置きに挑戦
見た目をカッコよくというコンセプトです。数年使い続けられるようにCPUに関しては最高のものを、中古でも問題のない部品は価格重視で安く抑える、という方針です。
使用した部品
ケース
Lianli O11 DYNAMIC EVO WHITE
白い筐体でガラス張りのケースです。今回の自作コンセプトの肝となるものです。インテルの第12世代CPUは爆熱なので簡易水冷クーラーが付けられるのが重要です。さらにグラフィックボードを縦置きにできるオプションがあるというの決め手でした。
グラフィックボード縦置きオプション
この縦置きオプションは現在国内では入手困難なので、
上記から個人輸入しました。送料込み12,344円、届くまでに10日程でした。WEB上では発送されたとなかなか表示されなく心配でしたが、DHC(運送会社)から荷物を預かったというメールが先に来たのでそれ以降は安心して待つことができました。国内価格より2割増しですが良しとしましょう。
CPU
Core i9-12900Kから性能の良い選抜品です。なぜKではなくKSにしたかというと、CPUにはかなり個体差があり同じ型番でも発熱量(=消費電力)が個体によって違っており、KSならば確実に同じ処理速度でも発熱量を抑えることができるからです。つまり、高性能のわりには消費電力を抑えることができます。
CPUクーラー
簡易水冷クーラー MSI MEG CORELIQUID S280
Core i9-12900KSは爆熱なので360クラスの簡易水冷クーラーを探していたところ、Amazonでたまたま外装破損品としてS280を2.5万円ほどで購入しました。届いたものをチェックするとパッケージのフィルムが破れていただけで、ふたを開けた形跡もありませんでした。
マザーボード
ASUS TUF GAMING Z690-PLUS WIFI D4
CPUがi9-12900KSということもあり、チップセットはZ690で。Z690は使えるメモリとしてDDR4とDDR5がありますが、価格も手ごろで実績のあるDDR4版のマザーボードにしました。今回は中古で2.5万円ほどの掘り出しものを見つけたのでこちらを購入しました。中古ですが問題なく使えています。
メモリ
DDR4の光るオーバークロックメモリです。4000にオーバークロックした時でも1.35Vで動くところがこれを選んだ理由です。
SSD
Samsung 980 PRO 1TB
PCIe Gen 4.0対応で定評のあるSSDです。
グラフィックボード
ASUS ROG-STRIX-RTX3060TI-O8G-GAMING RTX3060Ti/8GB
LHR版ではないV1の中古品を6.2万円で購入しました。グラフィックボードとしては大型ですが3連のファンで高負荷時でも静かでとても気に入っています。
電源
Superflower LEADEX V P130X-1000 PRO-WT
白い筐体のパソコンケースに合わせて白い電源にしました。
ケースファン
Lianli UNI FAN AL120 WT 3Pack ホワイト
Lianli UNI FAN SL120 WT 3Pack ホワイト
3つのファンを独自機構で連結させることが可能で、1本の電源+ARGBケーブルで済むのが秀逸です。制御ソフトウエアL-Connect3には一癖あるのですが、制御をバイパスしてマザーボードからファン・LED制御させることが可能なのでケース内のLEDをすべて(マザーボード・メモリ・グラフィックボード・ケースファン)を同期させることができます。
組み立て
仮組み
2WAY ベンチテーブル ブラック SMZ-2WBT-ATXでまずは仮組みをしました。
ケース組み込み
ASUSのツールAemoury CrateでLEDをセッティングします。
マザーボード、グラフィックボード、メモリ、ケースファンなどが認識されています。
レインボーに設定した状態。
グラフィックボードを縦置きにした様子です。ケース内のLEDがすべてレインボー色で同期しているのがわかると思います。
UEFI BIOS 設定
以下、UEFIバージョン 1504で説明しています。
また画面は「詳細モード(Advanced modeなどの表記)」の画面です。
メモリ設定
DDR4-4000のオーバークロックメモリ用に以下のように設定をしました。
Ai Overclock Tuner:XMP I
メモリ周波数:DDR4-4000MHz (これは上記XMPを設定すると自動設定される)
この2つの設定だけでオーバークロック4000MHzで動作します。
さらに若干ですが実動作(パフォーマンス)を高速にすることができます。メモリコントローラーをGear1に設定する方法です。Memory Controller : DRAM Frequency Ratioがデフォルトでは 1 : 2 (Gear2)になっています。この設定を 1 : 1 (Gear1)に変更することで若干ですが速くなります。以下の記事を参考にしてみてください。
私の環境(マザーボード、CPU、メモリ)ではGear1で安定動作しています。ベンチマークテスト「Cinebench R23」で3%ほど値が向上しました。ただし、Gear1+4000MHzで正常に起動しない、安定動作しない場合もあります。その場合はGear2に戻すか、クロックを3600MHzに落とす必要があります。
低消費電力化
Core i9-12900KSを電力制限なしでCinebench R23でベンチマークテストをすると消費電力がシステム全体で470Wぐらいになり、さすがに280cm簡易水冷クーラーでは冷やしきれずサーマルスロットリングが発生してしまいます。
高負荷時でもシステム全体で400W以下、かつサーマルスロットリングが発生しないようにクロックと電圧を設定していきます。
まずは、Core i9-12900KSの8個のPコア(Performance-core)と8個のEコア(Efficient-core)のクロックを以下のように設定します。
Pコアのクロック倍率を「By Core Usage」にする。(デフォルト設定と同じ値)
1or2コアだけに負荷がかかった時は55倍(100×55=5.5GHz)
3個以上のコアに負荷がかかった時にはすべてを52倍(100×52=5.2GHz)
設定例は以下の写真
Eコアを「Sync All Cores」にして、すべて39倍(100×39=3.9GHz)にします。デフォルト4.0GHzから下げています。Eコアの方で消費電力を一律に落とすため。
設定例は以下の写真
次に、「V/F Point Offset」画面で3つの特定の周波数のみコア電圧をデフォルトよりも低い値(マイナス・オフセット)にします。
3Point(3行のみ)変更
V/F Point 4 (4800Mhz):-0.125V
V/F Point 5 (5200Mhz):-0.090V
V/F Point 6 (5300Mhz):-0.025V
設定例は以下の写真
上記設定により、Cinebench R23でベンチマークテスト(マルチコア)実行時でもシステム全体で398Wに下げることが来ました。室温が25℃ならサーマルスロットリングはギリギリ発生しません。ベンチマーク値は28500程度でした。
Intel VMDについて
Intel VMDは、「Intel Volume Management Device」の略称で、NVMe SSDの性能を引き出すための独自機能です。第12世代Coreシリーズに対応したIntel600番台のチップセットに搭載されています。
私は大きな勘違いをしてしまいました。OSをインストールした後に何気なくUEFIの「簡易モード(EZ modeなどの表記)」の画面で「Intel Rapid Storage Technology」をONにしてしまったのです。(単純にRaid機能を使うのかなと勘違い!)これをONにすると、「詳細モード(Advanced modeなどの表記)」画面の「Intel VMD」を有効にするように誘導されてしまいます。この「Intel VMD」を有効にしてしまうと今まで見えていたSSDが突然UEFIから見えなくなってしまいます。最初は何が起こったのかわからず困惑してしまいました。
「Intel VMD」を無効にすることでSSDがまた認識されOSも起動するようになりました。「Intel VMD」を有効にするとSSDの読み書きが速くなるようですが、OSのインストールしなおしが必要になります。さらにOSをインストールする時に専用のドライバを読み込ませなくてはなりません。これはかなり面倒なので次回ということにしました。
まとめ
5年ぶりにパソコンを自作しましたが技術の進歩や部品の進化を感じました。限定版のCPU Core i9-12900KSを使うことで値段は張りましたが、パフォーマンスは最高でありながら消費電力を落とすことができました。コンセプトであるカッコいい見せるパソコンが出来上がったかなと思います。